12/5(土)、「1on1カンファレンス」に参加しました。

はじめに

1on1を扱ったカンファレンスに参加してきました。

1on1は特にソフトウェアエンジニアで広がっているコミュニケーション手法ですが、それに関連してカウンセラーや認知学者など、普段関わることが無い方からもお話を伺えて学び深い会でした。

career-update-org.connpass.com

講演の感想

1対1の対話について心理療法から考える

重宗先生による心理療法の観点についてのお話と、1on1との違いについてお話がありました。職業カウンセラーと職場の1on1では人間関係や目的に差異があるなど、カウンセラーから見た1on1の話がとても勉強になりました。また、カウンセリングのライブデモがあり、直接受けないと分からないカウンセリングについて深く知ることができました。カウンセリングのやり方は書籍などにもありますが、話しているときの間や雰囲気などは書籍ではイメージしきれないので、とても貴重な時間でした。

仕事のモチベーションをあげるための1on1の使い方

モチベーションを挙げるためのTipsについて、事前準備/お願いシーンごとに話す内容/注意点で分けてのお話がありました。全部で約30個あり、いずれも仕事でのシチュエーションが想像しやすく、実践に活かしやすい内容でした。発表時間20分に対してTipsだけで約30個あるので、発表は駆け足感がありましたが資料は公開されているので、あとでじっくり復習したいです。

speakerdeck.com

対話のカウンセラー的アプローチ

整理された形でのカウンセリングの考え方の話があり、1on1のワークもありました。1on1ワークは特徴的で、クライアントの発言に対してどんな回答を返すかを、Discordのテキストチャットに書き込むスタイルでした。人が多くても自分の回答を表現できるし、他の人の色々な解答を見ることができて、とても面白いと感じたやり方でした。

www2.slideshare.net

仕事のパフォーマンスとエネルギーマネジメント~みんなが自分らしくイキイキはたらける職場づくりを目指して~

産業保健師という立場から、ストレスについての知識についてをお話がありました。どんな時にストレスがかかるのか、ストレスを解消するのにはどうすれば良いかなど、ストレスと付き合うための考え方を学ぶことができました。パフォーマンスを出すためには適度なストレスが必要だと点になるほどと思ったのと、Discordでの他の参加者の方々のストレス話が印象的でした。

きっとうまくいく 理想と現実の差を埋める打ち手の導き方

リモート環境でのコミュニケーションに対する工夫と、1on1に対しての実践例についてのお話がありました。1on1の実践例は、理想と現実のギャップにはある程度のパターンがあるため、パタン・ランゲージをヒントに対策を磨いていくという方針が印象的でした。また、自社内で行っているワークショップで、部下と上司で立場を入れ替えて行っているという話は興味がありました。

わかるとは?ー認知科学から考えるー

認知科学の観点から、そもそも理解するとはどういうことか、について語られました。スライドなどの決まった内容ではなく、ラフな感じで語り拡げていく感じは凄いと感じました。簡単に見える問題でも、その認知のプロセスは人によって異なっているため、相手の回答が自分とは違うのであれば(同じであれ)、相手がどう考えているのかについて理解を深めることが肝要であると思いました。

運営の感想

準備/丁寧な説明

1on1カンファレンスは運営の準備/丁寧さについても学ぶところが多かったです。トラックには必ず運営がついて〇分前に説明を入れたり、Discordに講演の概要を都度記載するなど、参加者が迷いにくいような気配りが見受けられました。オープニングセッションではカンファレンスで使う各種ツールの動作テストを行ったり、講演中はスタッフも良くDiscordに書き込みを行うなど、参加者に不安なく講演に集中できるような配慮があったからこそ、活発な書き込み/質疑が実現していたのだと思います。

Ask the Speaker

カンファレンスでの質疑応答の時間は良くありますが、ショートセッションの講演者は二人まとめて質疑応答の時間を取る構成が面白く感じました。講演の間隔が短いためテンポも良く、質疑応答では講演者同士の掛け合いがあるなど、充実した内容だと感じました。

おわりに

1on1のカンファレンスは初めてとのことですが、とてもそうには思えない素晴らしい内容と運営でとても満足できる一日でした。ソフトウェアエンジニアとは違った職種の方の話を聴けたり、面白いスタイルのワーク/運営があったりと学びも深く、次回があればまた参加したいと思えるカンファレンスでした。