2020/11/27(金)、「専門書編集者の話が超面白かったからもうちょっと聞いてみよう!」に参加しました。
はじめに
日科技連出版社の鈴木兄宏さんから出版社編集者としての仕事に関する色々なお話を聞ける会に参加してきました。
JaSST Review 2020での発表内容をベースにして、より詳細に掘り下げていく進行となります。
会の中でも「深夜ラジオのノリ」と言われていましたが、MCの@kitanosirokumaさんと鈴木さんのやり取りが心地よく、深い話も多数出てきて、とても学び深かったです。たくさんのお話をお聞きしましたが、特に印象に残った点をピックアップして記載します。
- 自己流とは
- 相手に伝わらなければ意味がない
- 6つの立場で原稿を読む
自己流とは
ここでの自己流とは、やみくもな方法ではなく、自分にあったやり方のことを指します。
特に、自分にあったやり方を「自分がやりやすいやり方」ではなく「自分が成果の出しやすいやり方」としていたことが凄くしっくりきました。目標・目的を達成するという点に主眼が置かれており、そのために自分が何ができるかを模索していく姿勢が見習いたいところだと感じました。
そんな鈴木さんが例に出したリーダーシップ像は、近年注目を浴びているサーバントリーダーシップにも相当するものだとか。*1
相手に伝わらなければ意味がない
編集者として、校正・校閲時に著者へ向けて修正案を伝える必要があります。気になったことを伝えるだけでは著者に受け入れられない場合があるため、伝え方を良く考える必要がある、という内容でした。
文章の責任は著者にあるため、致命的なものを除いて、直す判断は著者が下すことになります。そのため、編集者が「こうした方が良い」と思った内容は相手が直したいと思えるように伝える必要がある、とのことでした。編集者自身が読んで理解したことを確認するプロセスで著者に改善の必要性を考えてもらう、といった実践的なテクニックについても紹介されていました。
6つの立場で原稿を読む
原稿を読むときの立場として、以下の6つの立場が挙がりました。
- 編集者
- 読者
- 著者
- 版元
- 印刷会社
- 書店・取次
自分が校正・校閲する立場だとしても「印刷会社」や「書店・取次」の視点は出てこない観点でした。出版側や読者側だけでなく本の製造・流通に関する部分にも観点を持っていることは、さすが編集者だと思いましたし、とても驚きました。機会があったら自分もそれらの観点を試してみたいと思います。
おわりに
鈴木さんは登壇経験はJaSST Review 2020が初めてとのことで、とても驚きました。編集者として身につけた様々な知識があるからこそ、初心者とは思えない素晴らしいプレゼンになったと思います。
予定2時間に対して約3時間半の会でした、できればもっと編集者としての話をお聞きしたい、と思えるぐらいとても楽しい時間でした。文章を書く機会は仕事でも避けられないため上手くなりたいと常々考えているので、文章を磨くための技術を本職の方からお聞きできた、とても貴重な会でした。