2017/11/3(金・祝)、第3回盛岡ソフトウェアテスト勉強会に参加しました。

昨年に引き続き、今年も盛岡ソフトウェアテスト勉強会に参加しました。

www.kokuchpro.com

以下は会場1Fのお店で食べたお昼のラーメンです。よく見ると海藻が浮いているのが分かります。

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はじめに

「じゃじゃ!! 『テスト』ってなんだべ?」をテーマに、初学者・他社のテストに興味がある人を対象とした4つの講演がありました。
初学者向けということですが、テスト実行よりの話はほとんどなく、テストに対する考え方/捉え方を伝えるための内容が中心だったように思います。
単なる「テストが実行できる人」ではなく、「テストを通じて価値を創造できる人」を育成したいという講演者/実行委員の意思が感じられました。

単なる仕様チェックから卒業するために ~最初に抑えたいキホンのキ~

NaITE(長崎IT技術者会)発起人の池田さんによるテスト技術者がステップアップするための考え方の講演でした。

「キホンのキ」とあるから、テスト技法中心なのかと思いましたがそんなことはなくて、テスト分析/設計を中心とした話でした。
テスト技術者が考えておきたい全体観を示す構成であり、池田さんがテスト初級者に対して「より価値を創造できるようにするにはどうすれば良いか」を広める意思が伝わってくる内容だと感じました。

時間の都合で後半早足になってしまったことは惜しかったですが、直後に資料を公開してくださっています。ボリュームや構成が素晴らしく、とても勉強になります。

www.slideshare.net


本当はやさしいユーザビリティ ~現場の事例と改善案~

盛岡ソフトウェアテスト勉強会の協賛企業でもある株式会社ヴェスから及川さんによる講演。第三者検証会社としての実務経験からくる実例に基づいたテストの考え方についての内容でした。

単なる機能テストではなく、使い勝手(ユーザビリティ)についての観点や、実際に顧客とのやり取りを踏まえた内容が現実に沿った形で纏められて、とても興味深く聞くことができました。

「勘と経験」の思い込みからの脱却 - なぜ探索的にテストができるのか -

JaSST東京実行委員である坂さんからは、なかなか他でも講演されることの少ない探索的テストに関する内容でした。

探索的テストは、その成果が個人にかなり依存する手法であり、なかなか上手く扱う方法を言語化して説明しにくい手法だと思います。本講演では、「勘」と「経験」に着目し、どのような考えで坂さん自身がテストを実施しているかも踏まえて探索的テストについて説明していただきました。

個人的にはTOC(制約理論)で使われるブランチによって内容が整理されていたことが興味深かったです。

宇宙開発とテスト

くまきちさんからは中々触れることのない宇宙開発をテーマにした内容をお話いただきました。

宇宙開発に使われる技術そのものは私たち普段から扱っている通常の組み込み開発と大差ない、という点はお話いただいて、とても興味深かったです。ただし、1つのミスが凄く大きな失敗につながる分野なので、一つ一つに検証に対する熱の入り方は一般的な組み込み開発と大きく差があるのかな、と感じました。

また、全体的に観客の興味を引くような作りになっていて、楽しく話を聞くことができました。以下、個人的にヒットした一言。

勉強会の宣伝

勉強会当日の話ではありませんが、関係者に勉強会の宣伝方法を伺って、かなり考えてられていると感じました。
盛岡の企業にアピールするために、滝沢イノベーションセンターのFacebookで広告を出したり、盛岡のローカル誌に宣伝をだしたりしたそうです。

勉強会があまり開催されない盛岡で、「どうやったら興味がある方に気づいてもらえるか」を真剣に考えた行動だと思います。
実際に参加者と話をしていたら、上記の宣伝を受けて参加した、という方が何人かいました。
なので、今回の参加者数は実行委員の頑張りが身を結んだ形であり、見習いたい部分だと感じました。

おわりに

岩手に所縁のある方々が集まって開催されている勉強会であり、実行委員は必ずしも岩手に在住している方が多い訳ではありませんが、第3回となり、盛岡近郊の参加者が確実に増えている、と感じられる勉強会でした。
これから地域に根付いた勉強会になる成長過程を正に今見れているということで、とても貴重な経験をさせていただきました。
今後の活躍も期待しています!