11/18(土)、「未来予想型チーム運営ワークショップ」に参加してきました。

SaPID*1TOC(CCPM)を組み合わせたリスクマネジメントのワークショップに参加してきました。

www.kokuchpro.com

今年の2月にも参加しましたが、前回は半日のワークだったのに対し、今回は一日のワークを体験してきました。基本的な流れは前回と同様だったので、主に差分について整理していきます。

toshimana.hatenablog.com

未来予想図についての議論と共有

前回と比べて、未来予想図の作成やワーク間における修正に多くの時間が割り当てられていました。前回は時間の制約が大きい中で、問題に対して進める案を何とか絞り出していました。それに対して今回はチーム内で十分な議論の上、他に案がないかを検討したうえで作業の方向性を決めることができました。チームメンバが4人(前回は6人)と、全員の意見を反映しやすい大きさだったことも踏まえて、未来予想図に関する議論は前回よりもかなり満足度が高かったです。

運営の方々も「過去のワークでは作業間の未来予想図に対するフィードバックが上手くいかないチームがいた」のに対して「今回はすべてのチームが未来予想図に対して上手くフィードバックできていた」と言っていたので、個人的には未来予想図の議論時間を増やしたことでワークに対する満足度が高まったのだと感じています。

未来予想図の修正

本ワークショップでは、最初に作成した未来予想図を、各作業で得られた知見をフィードバックしながら改良していく、というのが基本的な流れです。私たちのチームでは得られた知見を「足す」修正しかしていませんでしたが、運営の方からは「引く」修正も考えてみると良いとアドバイスを頂きました。

今回のワークは数回のフィードバックしかありませんが、実際の仕事で未来予想図を用いる場合は常に更新し続けることになるため、常に現状を表した未来予想図を保つ必要があります。「足す」だけだと、未来予想図は肥大化して扱いが困難になるため、適度に「引く」ことでチーム内が理解しやすい未来予想図のサイズに保ち続ける必要がありそうです。今回のワークでは「引く」実践はできませんでしたが、どこかで試してみたいと思いました。

運営の配慮

終わった後の懇親会で伺った話でもありますが、ワーク中に挟まれたアドバイスについてもとても参考になることがありました。例えばワークの中で「各自、気になったことを付箋で5つ挙げてください」とありましたが、それについても以下のようなことが考えられていたそうです。

  • 気になったことが多すぎると後作業のモデル生成の整理が難しくなる(ワークを時間内に満足にこなすことが難しくなる)
  • 数を絞ることで、その人が重要だと思うことを順序付けするようになり、付箋には重要な順に出てくるようになる。
  • 数を絞ることで、気になったことをとにかく出し尽くす人を抑制する
  • 数を多く出す人を抑制することで、意見が出にくい人が委縮しにくいようにする

他にも多くの配慮点がありましたが、それらの積み重ねによって全チームが満足度の高い状態でワークを実施できたのだと思います。

食事について

ワークショップの昼食に自分の実力に見合わない激辛ラーメンを食べるのはやめましょう。写真は昼食に食べた「蒙古タンメン中本」さんの「北極ラーメン」。

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おわりに

個人的な満足度も高く、なおかつ全てのチームが良い成果が出せていたため、ワークショップ全体の完成度もかなり高いものだと感じました。@kitanosirokuma さんと@NoriyukiMizuno さんの二人ならではの他ではできない貴重な内容を学ばせていただきました。新ネタも検討中とのことなので、そちらも楽しみにしています!

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ぼかし処理を施してます

11/17(金)、「提案が断られないか検証する技術を試してみよう/VPC,BMC+マフィアオファー」に参加しました。

全体最適化の手法として有名なTOC(制約理論)にはDBRやCCPMのようにいくつかの方法論がありますが、その一つであるマフィアオファーについて @NoriyukiMizuno さんからお話を伺いました。

マフィアオファー*1とは営業方法論であり、魅力的で断りづらい提案を行うための方法です。面白そうな技法ですが、資料が少なくて独学で習得するのが難しい技法でもあります。今回は @NoriyukiMizuno さんが独自改良として、別のモデリング技法(VPC,BMC)と組み合わせた手法も踏まえて説明頂きました。

私は開発者ですが、マフィアオファーはよくある他社向け営業だけでなく技術提案などの内部営業(?)にも有効とのことなので、色々実用が出来そうだという期待を胸にお話を伺いました。

抵抗の6階層

人がソリューションを提案されたときに、以下のような6つの抵抗が生じるそうです。マフィアオファーではそれらを上から順に解決方法を検討し、最終的に顧客が納得しやすい提案を検討します。

  1. 【ソリューションと問題のマッチング】問題の存在に合意しない
  2. 【ソリューションと問題のマッチング】ソリューションの方向性に合意しない
  3. 【ソリューションと問題のマッチング】ソリューションが問題を解決できると思わない
  4. 【実現する際のリスク】ソリューションを実行するとマイナスの影響が生じる
  5. 【実現する際のリスク】ソリューションの実行を妨げる障害がある
  6. 【変化したことに対する影響への不安】その結果起こる未知のことへの恐怖

www.goal-consulting.com

マフィアオファーでは最終的に提案内容を「マフィアオファーシート」にまとめるのですが、今回は特に「1~3」について着目してお話を伺っています。

http://affordd.jp/forum/2014_05/mafiaoffer_sheet.pdf

VPC, BMC

VPCValue Proposition Canvas, BMCはBusiness Model Canvasであり、どちらもスタートアップ(起業)系で知られている技法です。抵抗の6階層の「1~3」を整理するために、@NoriyukiMizuno さんがこれらの手法を用いる手法を提案しています。

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

各モデルは以下のような関係になりそう、とのことです。

  • VPC:ソリューションの「価値」
  • BMC:ソリューションの「具体化(実現)」
  • マフィアオファー:ソリューションの「検証」

VPCやBMCで整理した「価値」や「具体化」が有効かどうかを、マフィアオファーのフォーマットを用いることで「検証」するイメージです。

ワーク

マフィアオファーの勉強会のはずですが、実際はVPCのワークでした。とはいえ、ワーク自体は非常に効果的でした。

マフィアオファーは提案するソリューションの価値を提案者が十分に理解できている前提なので、参加者の実業務に合った提案をもとにVPCを検討しました。上手くいくかと思って始めましたが、提案対象者に対する価値と提案が上手く結びつかず非常に頭を悩ませる展開になりました。提案対象者をより明確に定義し、チームで提案対象者に対する価値を掘り下げることで最初よりも洗練された提案を挙げることができましたが、マフィアオファーで最も重要な「提案対象者の問題を解決できる提案を用意できるか」を深く考えさせられる形になりました。

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画像にはぼかし処理を加えています

終わりに

マフィアオファーは“魅力的で断りづらい提案ができる”という、提案者にとって魅力的な提案に聞こえる手法です。しかし今回のお話を伺って「提案対象者の抱える問題に対して真摯に向き合い、納得してもらった上で提案に同意してもらう」という王道な内容だと思いました。営業のスキルだけでなく問題分析の高いスキルも必要なので十分に扱いきるには訓練が必要です。マフィアオファーはソリューションの「検証」に向いているため、自分が他者に対して提案をしたいときにマフィアオファー(+VPC,BMC)を用いて、本当に価値のある提案になっているかをセルフチェックする目的で使っても面白いかと思いました。

*1:Unrefusable Offer(URO)ともいうらしい

2017/11/3(金・祝)、第3回盛岡ソフトウェアテスト勉強会に参加しました。

昨年に引き続き、今年も盛岡ソフトウェアテスト勉強会に参加しました。

www.kokuchpro.com

以下は会場1Fのお店で食べたお昼のラーメンです。よく見ると海藻が浮いているのが分かります。

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はじめに

「じゃじゃ!! 『テスト』ってなんだべ?」をテーマに、初学者・他社のテストに興味がある人を対象とした4つの講演がありました。
初学者向けということですが、テスト実行よりの話はほとんどなく、テストに対する考え方/捉え方を伝えるための内容が中心だったように思います。
単なる「テストが実行できる人」ではなく、「テストを通じて価値を創造できる人」を育成したいという講演者/実行委員の意思が感じられました。

単なる仕様チェックから卒業するために ~最初に抑えたいキホンのキ~

NaITE(長崎IT技術者会)発起人の池田さんによるテスト技術者がステップアップするための考え方の講演でした。

「キホンのキ」とあるから、テスト技法中心なのかと思いましたがそんなことはなくて、テスト分析/設計を中心とした話でした。
テスト技術者が考えておきたい全体観を示す構成であり、池田さんがテスト初級者に対して「より価値を創造できるようにするにはどうすれば良いか」を広める意思が伝わってくる内容だと感じました。

時間の都合で後半早足になってしまったことは惜しかったですが、直後に資料を公開してくださっています。ボリュームや構成が素晴らしく、とても勉強になります。

www.slideshare.net


本当はやさしいユーザビリティ ~現場の事例と改善案~

盛岡ソフトウェアテスト勉強会の協賛企業でもある株式会社ヴェスから及川さんによる講演。第三者検証会社としての実務経験からくる実例に基づいたテストの考え方についての内容でした。

単なる機能テストではなく、使い勝手(ユーザビリティ)についての観点や、実際に顧客とのやり取りを踏まえた内容が現実に沿った形で纏められて、とても興味深く聞くことができました。

「勘と経験」の思い込みからの脱却 - なぜ探索的にテストができるのか -

JaSST東京実行委員である坂さんからは、なかなか他でも講演されることの少ない探索的テストに関する内容でした。

探索的テストは、その成果が個人にかなり依存する手法であり、なかなか上手く扱う方法を言語化して説明しにくい手法だと思います。本講演では、「勘」と「経験」に着目し、どのような考えで坂さん自身がテストを実施しているかも踏まえて探索的テストについて説明していただきました。

個人的にはTOC(制約理論)で使われるブランチによって内容が整理されていたことが興味深かったです。

宇宙開発とテスト

くまきちさんからは中々触れることのない宇宙開発をテーマにした内容をお話いただきました。

宇宙開発に使われる技術そのものは私たち普段から扱っている通常の組み込み開発と大差ない、という点はお話いただいて、とても興味深かったです。ただし、1つのミスが凄く大きな失敗につながる分野なので、一つ一つに検証に対する熱の入り方は一般的な組み込み開発と大きく差があるのかな、と感じました。

また、全体的に観客の興味を引くような作りになっていて、楽しく話を聞くことができました。以下、個人的にヒットした一言。

勉強会の宣伝

勉強会当日の話ではありませんが、関係者に勉強会の宣伝方法を伺って、かなり考えてられていると感じました。
盛岡の企業にアピールするために、滝沢イノベーションセンターのFacebookで広告を出したり、盛岡のローカル誌に宣伝をだしたりしたそうです。

勉強会があまり開催されない盛岡で、「どうやったら興味がある方に気づいてもらえるか」を真剣に考えた行動だと思います。
実際に参加者と話をしていたら、上記の宣伝を受けて参加した、という方が何人かいました。
なので、今回の参加者数は実行委員の頑張りが身を結んだ形であり、見習いたい部分だと感じました。

おわりに

岩手に所縁のある方々が集まって開催されている勉強会であり、実行委員は必ずしも岩手に在住している方が多い訳ではありませんが、第3回となり、盛岡近郊の参加者が確実に増えている、と感じられる勉強会でした。
これから地域に根付いた勉強会になる成長過程を正に今見れているということで、とても貴重な経験をさせていただきました。
今後の活躍も期待しています!

2017/8/20(日):オンライン人狼を開催しました。

テストクラスタの有志を集めてオンライン人狼をやりました。人狼は正式名称「汝は人狼なりや?」というTRPG(テーブルトークRPG)です。本来は対面で行うゲームなんですが、グループ会話ツールを用いることでオンラインでも遊ぶことができます。個人的には夜時間における役職実行のやりやすさから、対面人狼よりオンライン人狼の方が好みです。

汝は人狼なりや? - Wikipedia

はじまり

発端はこの発言。

オンライン人狼は動画で見て興味があったので名乗り上げました。スケジュール調整の末、この発言から約一月後に開催となってます。最初は人が集まらずにどうなることかと思いましたが、最終的には10人集まりました。

GM(ゲームマスター)

人狼を遊ぶにはGMが必要です。参加者とは別に、GMはゲームに参加せず運営を行う役割になります。私は今回GMをやりました。オンライン人狼はツールの準備も必要なのですが、そのツールに興味があったのもGMをやった理由の一つです。

ツール

オンライン人狼をやるために以下のようなツールを用意しています。

オンライン人狼ツール
  • 中島人狼(チャットベースのブラウザアプリ)

www.nakajima-jinro.com

  • JinroSE(中島人狼と連携できるGM用アプリ)

Jinro! Second Edition - 月夜丘

オンライン会議ツール
  • Zoom

オンライン人狼ツールは今回初めて利用しましたが、とても便利でした。オンライン人狼GMは以下のような仕事があるのですが、オンライン人狼ツールが大部分を引き受けてくれます。流石、長い間使われて改良しているツールだと感じました。

  • 配役を自動で振ることができる
  • 各参加者に必要なチャットを自動で展開する
  • 誤操作が多い全体チャットへの書き込みを制限する
  • 残り議論時間の通知を定期的に行う
  • 投票の集計を自動で行う
  • 夜時間での役職者への役職実行の要求、受付を自動で行う

運営

運営としては優秀なツールがサポートしてくれるので、GMの負担はかなり減りました。参加者は人狼初心者が多く、ツールやルールについて補足したりすることが多かったです。皆さんが推理しながら議論しているのを神様視点で眺められるので、議論に直接参加していなくても面白かったです。

ツールのテストで予定の1時間前から何名かにご協力いただいていたのですが、結局予定時間から45分くらいツールの説明に時間がかかってしまいました。ツールの説明をより効率的にするとともに、予めツール説明の時間がかかることを含めたスケジュールをしておくことを反省点として、次回以降の改善点としたいと思います。

おわりに

過去に何度かオンライン勉強会を開催して同様の利点を感じていますが、「遠方の人と(西は福岡、北は仙台まで)」「遅い時間に(22:00開始)」開催できるのはオンライン実行の大きな魅力と感じています。

集まっていただいた参加者の皆さんには楽しんでいただいたみたいで、運営冥利に尽きる、といった感じです。人狼は好きなゲームなので、また人を集めてやりたいなと思いました。

2017/7/22(土)、【<ゆるっとファシリテーター>体験会】と【ゆるっとお茶会ワークショップ】に参加してきました。

@caori_tさん主催のファシリテーションイベントに参加してきました。
ファシリテーションをやっている様子を見学できる数少ない機会なので、ファシリテーションを体験するのと合わせて、ファシリテーターの考えを学ぶ目的で参加しています。

caorit.hatenadiary.com

イベントは2部に分かれて実施されました。

午前:<ゆるっとファシリテーター>体験会

今回は<ふりかえりをゆるファシってみるよ レベル1*1>ということで、参加者の一人を対象者として、対象者が「過去に実施したふりかえり」をふりかえる、という内容でした。他の参加者は見学者という形で参加しています。私は見学者の立場でした。

今回の体験会で特に面白いと感じたのは、見学者に対する注意事項でした。過去にやったときに、周りの発言によって対象者の問題が分かりにくくなることが理由です。そもそも、発言できる見学者が多くいる環境ってなかなか無いように思うので、注意事項が出てきたことにびっくりしました。

出てきた注意事項は以下のようなものです。

  • 手を出さない
  • 誘導しない
  • さえぎらない

対して、見学者がやってもいいのは以下のようなものでした。

  • 問いかけ(質問)
  • 確認

内容はふりかえりをKPT形式で行い、ファシリテーションによって対象者の理解を掘り下げる形式でした。Keep,Problem,Tryごとに使う付箋の色を変えるなどの工夫により、整理された情報の一覧性が向上していました。これが問題の理解/整理に一役買っていた思いました。対象者が本質的な問題に到達しやすいような配慮が窺えて、大変参考になりました。
私は見学者でありながら、結構口を出してしまったこと(質問/確認に留めたつもり…)が反省点です。

成果物の画像です。内容は個人情報に関わるため、ぼかしています。
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午後:ゆるっとお茶会ワークショップ

お茶を飲みながら個人が抱える問題と前向きに向き合える、午前の部に比べると気軽に体験できるワークショップになっていました

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内容は2部に分かれていました。

  • 前半:二人一組になって問題に向き合うワーク
  • 後半:お茶を飲みながら、前半を振り返るフリートーク(お茶会)

問題分析は「SaPID/SaPID+」に基づいて、@caori_tさんがお茶会用にアレンジした形式になっています。

SaPID+ - software-quasol ページ!

私も過去にSaPID+ BootCampに参加したことがあるので問題分析の全体像は把握しています。

toshimana.hatenablog.com

ですが、今回はお茶会というテーマに見合うくらい、範囲を絞って気軽に体験できるようにアレンジされていました。本格的な問題分析は十分な時間が必要なので初めての人には敷居が高くなってしまいます。対して、今回のお茶会ワークショップは短い時間で問題分析の入り口を体験できるので、とても面白い(価値のある)取り組みだと思いました。

私のペアは問題分析に時間がかかってしまい、前半の内容を後半も引き続き議論する形になりました。前半でもう少し時間が欲しかったですが、何とか個人の問題は明確になり、次のアクションが見えるところまでは検討することができました。

お茶とお菓子は美味しかったです。
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他の参加者レポート

@mhlyc さんがレポートを挙げてくださってます。

mhlyc.hatenablog.com

おわりに

私の知っている問題分析(ファシリテーション)は、重たいプロセスになりがちで気軽に体験するのは難しいものでした。今回のお茶会ワークショップは、工夫しながら、できる限り軽くなるように、問題解決の手法に容易に触れられるようになっているのは素晴らしいと感じました。気軽に問題分析手法に触れられることで、問題に対して向き合い、前進する人がもっと増えるようになると思います。

お茶会ワークショップはまだまだ始まったばかりなので、この先どのような進化をしていくかは凄く楽しみにしています。

*1:レベル1=初の試み

7/1(土)、オンライン勉強会「ドキュメントインスペクション」を開催しました。

開催しましたって書くと大げさですが、顔の見知ったメンバー数人でクローズドなオンライン飲み会勉強会を行いました。

前回はコチラ
toshimana.hatenablog.com

今回は「ドキュメントインスペクション」をテーマに議論しています。その時の学びをまとめておきます。

大きく2部構成で行いました。

  • @Unity1004 による「伝わりやすい文章」についての講義
  • ドキュメントレビュー大会

その1:「伝わりやすい文章」についての講義

@Unity1004 に良い文章を書くための色々な観点を教えていただきました。特に、レビューする側としてどういうところを見るか、という視点で色々まとめてくださいました。

勉強になることがたくさんあったのですが、特に興味深かったのは以下の2点です。

これまで作成した文章で困っていた項目をまとめておこう
  • 「伝わりやすいか」とか「情報の過不足がないか」などといった読み手の負担になるような項目を整理しておくと、どういう観点でレビューする側がドキュメントを見るのかが明確になり、良い指摘が出しやすくなる。
  • 上記項目を「明確性」や「妥当性」のように~性としてまとめておくと良い。また、その中で優先度をつけることで、今何をレビューするかをチームで認識合わせしやすくなる。
  • どのような項目が必要かは文章の種類や位置付けなど、状況によって異なる。自分たちが何に困っているかをチームで議論して、自分たちの項目を出そう。
書く前に文書設計をしよう
  • 文章を書くときは、いきなり書き出すのではなくて事前に情報を整理することが重要。
  • 「誰が」「何の為に」読む文章なのかを明確にする。
  • それを満たすために必要な情報を洗い出して、伝えるべき内容とそのレベルを検討する。
  • 特に「誰が」「何の為に」が定まらないと内容が収束せずに手戻りが発生しやすくなる。

その2:ドキュメントレビュー大会

あるドキュメントをベースに、みんなはどんなレビューをするか、っていうのをやりました。レビュー方針として「パラグラフ(段落)レベルの指摘を重視」することが挙げられました。全体構成の問題を先に洗い出すことで手戻りを減らすことが目的です、

出てきた観点は以下のようなものがありました。

誰の視点の言葉か
  • 人が話した内容を引用したりするときに、主語が書き手なのか話し手なのかが分かりにくくなる場合がある。主語が誰かを明確にしよう。人の話を長文で引用するときは、段落で分けるなど区切りを明確にするといい。
情報の過不足がないか
  • 文章を見る相手に過不足ない情報を与えて、内容を整理しやすくする。情報不足は情報の前後関係を適切に理解することができなくなる。情報過多は本筋以外の情報の関係が出てくるので整理が難しくなる。今回は特に読み手に関係のない情報がいくつか挙がっていた。
暗黙知が抜けていないか
  • 前提条件を明記しないで(暗黙知として)文章を書いてしまい、内容が相手に伝わらない場合がある。読み手がその知識を持っていないことを考慮して、説明をしてから本題に移ろう。暗黙知は書き手だと気付きにくいので、他の人にレビューをしてもらうと良い。

運営:準備不足

オンラインで勉強会をするのは2回目ですが、前回に比べて準備が不足していました。1回目が上手く行ったという油断があったのでしょう。貴重な時間を割いて参加してくれる人たちに余計な負担は掛けたくないので、しっかりしないといけない所です。

事前の連絡手段が複数存在していたため、情報が適切に伝わらなかった
  • 対策:全体への連絡手段は一本化する。
タイムスケジュールがグダグダだったので、脇道に逸れやすかった
  • 対策:簡単でいいので、やることを洗い出して事前にタイムスケジュールを用意する。

まとめ

伝えたいことが正しく伝わるドキュメントは誰もが求めるものです。しかし、それを作るためにはみんなで知恵を集めて、各々の感性を技術に昇華して、どうすれば良い文章が書けるかを切磋琢磨して考える必要があります。文章作成は未だにいろんな人が苦労します。また、読みやすい文章を書くための様々なアイディアをいろんな人が持っています。良い文章を作るためにどんなアイディアがあるのか、いろんな人ともっと話し合いたいですね。

オンライン勉強会をやってみた

テストクラスタの仲間うちだけのクローズドですが、オンラインで勉強会をやってみました。
適当にはじめた割には、北は北海道、西は福岡までいろんな方が集まってくれました。
最初は勉強会を行い、そのあとはグタグタお酒を飲む感じでした。

既に講演者の @____rina____ さんがブログにまとめてくれています。
underscore42rina.hatenablog.com

オンライン勉強会の環境

オンラインで参加者間をつなぐツールとして、以下の条件を満たすものを検討しました。

ビデオチャットツール

以下の候補が上がりましたが、今回はGoogleハングアウトを使用しました。

安心と信頼のGoogleビデオチャットツール。無料だと最大10人まで同時接続可能。参加者はGoogleアカウントが必要。知名度が高いので情報を探すのには困らない。

  • appear.in

アカウント不要なビデオチャットツール。無料だと最大8人まで同時接続可能。自分環境でGoogle Chromeの環境が古いと接続できない場合があった。

  • Zoom

会議用ビデオチャットツール。ホワイトボード機能など、多彩な情報共有ツールがある。最大50人まで同時接続可能。参加者は専用ツールをインストールする必要がある。ビデオチャットを開始する人はアカウントが必要だが、開始されたビデオチャットに参加するにはアカウント不要。無料だと1会議40分制限あり?

あとは、Skypeが使えるかもという案も出ていたけど未検証。


ちなみに、ビデオチャットを前提に環境を用意しました。そして、参加者8人の参加方法として、ビデオ1人、音声3人、チャットのみ4人という内訳でした。ビデオいらねぇ!

講演(@____rina____ さん)

以下の本の一部を抜粋し、良い文章を作るための技法に考え方についてお話いただきました。
「伝わる日本語」練習帳 | 阿部 圭一, 冨永 敦子 | 言語学 | Kindleストア | Amazon


元々、オフライン用に用意した資料を使って講演いただきました。
資料はMicrosoftのOffice Swayで作成されており、画面共有を使って参加者が講演者のスライドを見ながら話を聞くスタイルになりました。
参加者のほとんどが「Office Swayってなんだ?」って感じだったので、それについても講演いただきました。
sway.com

オフラインと違って参加者の反応が講演者に見えないから「講演が難しいのでは?」と危惧していました。しかし、実際にやってみると参加者がチャットを使って反応しており、講演者にフィードバックしながら講演をすすめることができました。話しているのが講演者一人ですが、チャットのテキストに反応しながら講演する様は、まるで「ニコニコ生放送」を見ているような感覚になりました。

講演内容は良い文章を書くために気を付けるポイントがまとめられており、「用語は一意になるようにする」や「難しい漢字を使わないようにする」などを例を含んで説明してくれており、実感とともに理解することができました。今回の資料には、参加者に解いてもらう問題も用意されていたのですが、いわゆる「もんたメソッド」に近い、回答を少しずつ見せていくやり方をしていました。それがオンラインにもマッチしていたため、楽しく学ぶことができました。

ふりかえり

今回の良かった/次に直したいポイントをまとめておきます。

良かったポイント

  • 講演者を決めて、最低限の音声担当枠を確保しておくのは良かった。ほかの人がチャットでも成り立っていた。
  • 画面共有が使用者のマウスカーソルなども反映してくれて便利だった。講演者のリズムでスライドが切り替わることでオフラインに近い感覚が得られる。ワークなどで参加者の画面を共有しても面白そう。
  • 夜中(22:00-)開催。遅い時間だが、自宅でできるので「あとは寝るだけ」の状態で参加できるのも嬉しい。「終わったら10秒で布団に入れる」というのは講演者の談。

次に直したいポイント

  • サドンデス(寝落ちするまでやる)飲み会。やりたい人がやっているのはいいのだが、次の日もあったりなので途中で抜けやすい空気を作りたい。
  • 次やる場合は人をどうやって集めるか。多すぎると無料枠でのオンラインチャットツールの人数上限を超えてしまう。有料にするとやりにくい。
  • 勉強会のログ保存方法の確認。いろいろチャットしたけど、Googleハングアウトの見返し方が分からなかった。

まとめ

SNSでは良く見るけど実際に会うには物理的に難しい人たちとも交流が取れるので地方勢としてはとても楽しい時間を過ごすことができたと思う。勉強会もとても参考になったので、定期的にやりたいと思えるイベントでした。